大好きなポプラの樹が、葉を広げだした。
冬の間、葉を落とし、ただ、枝を空に向かって伸ばし静かにグランド脇にいた。
春になり、今まで蓄えた大地からのエネルギーを枝の先一本一本に送り、薄茶色の葉を広げようとしている。
黄砂まじりの薄曇りの空へ向かって、まだ弱い太陽の光を風に揺れる葉で押しのけながら。

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僕は、この木を見ているのが好きだ。
もうすぐ、葉は、黄緑色になり6月の終わりには、濃い緑となる。
強く吹いてくる西風にも大きくなった葉と葉を擦り合わせながら、揺れる。
照りつけてくる太陽の光を揺れる葉でまき散らす。
やがて秋には、葉を落とし、エネルギーを蓄える冬に備える。

なんでもない繰り返しが、とても偉大にみえる。

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